【カイト】
「危ねーっ!」

いち早く伸びてきたカイトの手が、
私の腕を捕まえ強く支えた。

【カイト】
「このバカ! 何やってんだよ。こんな不安定な
場所で、勢いよく立つヤツがいるか!」

【瑠奈】
「ご、ごめんなさい」

【カイト】
「……ったく。
心配かけさせてんじゃねーよ」

私はカイトに強く支えられていて、
いつもだったら驚いて、離してといっていたかも
しれないけど、今はそんな気にならなかった。

カイトから伝わる温もりにとても安心していたから。

しばらくそのままでいたけど、下から聞き覚えの
ある声が投げ上げられたことで、私とカイトが
我に返る。

【エフィー】
「……お前ら、何やってんの?」

エフィーの問いかけに、
二人の視線が一瞬、絡み合う。
カイトの顔がとても赤くなっていることに気づいた。

【カイト】
「わっ……悪い」

【瑠奈】
「う、ううん……」

私とカイトは弾かれるように身体を離した。